創造科学技術大学院
大学院長
原 正和

創造科学技術大学院は、平成18年4月に、それまでの大学院理工学研究科の後期課程と博士課程の独立研究科であった電子科学研究科を改組してスタートいたしました。1つの研究科に、工学系、情報系、理学系、農学系はもとより、教育、人文社会系に所属する自然科学系の教員が参画し、学際的な科学・技術の教育研究を実践する我が国でもユニークな博士後期課程大学院となっています。本大学院は、修士課程を修了した日本人学生、世界各国からの留学生、および産業界・公的機関等に職を有する社会人を広く受け入れています。毎年入学定員の45名を上回る向学心とチャレンジ精神に溢れる学生が入学し、輩出した博士学位取得者は本年3月までに589名(うち15名は論文博士)を数えました。

教育においては、特化した専門領域に関する深い知識と時代に対応した幅広い素養を身につけるため、体系化された専門科目と日々進展する周辺分野の知識や社会的ニーズに対応した科目を組み合わせたT型カリキュラムを特徴としています。専攻ごとのきめ細かい指導体制により、創造力、自己解決力、コミュニケーション能力を備えた人材の育成を目指します。さらに、国際的に活躍できる博士人材を育成するため、中東欧・アジアを中心とする協定大学および研究機関との協働教育、学生の交流などに組織的に取り組んでいます。現在推進している代表的な取組としては、国費外国人留学生の優先配置を行う特別プログラム(採択期間:平成29年度~令和元年度、令和2年度~令和4年度)、中東欧協定校14大学との国際会議インターアカデミア開催、本学が全国に先駆けて導入した博士課程のダブルディグリープログラム、環境リーダー育成プログラムなどがあります。

また研究においては、従来の工学、情報学、理学、農学の基礎・応用研究に加えて、これらの枠組みを超えた分野横断的な先進的学際研究領域の創成と地域に根ざした産業イノベーションの創出を目指しています。国内外で評価される独創的、先進的研究を、浜松キャンパスを中心とした光・電子・情報分野および静岡キャンパスを中心とした生命・環境科学分野において推進しています。特に、本学の重点分野である「光応用・イメージング科学」、「環境・エネルギーシステム」、「グリーンバイオ科学」においては、本学電子工学研究所およびグリーン科学技術研究所との強い協力関係の元で人材育成に取り組んでいます。また、2018年に本学と浜松医科大学との間に設置された光医工学共同専攻との連携も進んでいます。

本大学院では博士人財のキャリア支援に力を入れており、修了者は国内外の幅広い分野へ就職し活躍しています。JST博士人財キャリア創造プログラム(平成24-28年度、共同実施機関:名古屋大学)によるポストドクター・キャリア開発事業への取り組みをきっかけに、地域企業に重点を置いた博士向けのキャリア支援を進めてきました。現在、これらの機能は学生支援センターキャリアサポート部門に移管され、留学生を含む博士課程学生に手厚い支援を提供できる体制を維持しています。

以上に述べましたような活動実績を引継ぎ、今後も教育プログラムの充実、学生支援の強化を進めるとともに、産業界、社会、海外に向けてこれまで以上にわかりやすく魅力ある情報を発信し、国際社会や地域社会の期待に応えることができる人材の育成に取り組んでまいります。

令和3年4月