南アジア大(インド)
Vipin Kumar Deo
創造科学技術大学院 特任助教
訪問期間
2014年11月25日 ~ 2014年11月27日
共同研究の内容
私達は、ナノバイオテクノロジーや癌をターゲットにした天然物の分野で研究開発、共同研究する計画を立てています。私達は、静岡大学で蚕を使ったコルジセピン製造やウイルス様粒子(VLPs)分野の研究をしています。そして、南アジア大学でDr.Ravi Shankar AkundiとDr.Yubaraj Pokhalは、癌に関する研究に関わっています。
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
南アジア大学(SAU)は、8つの国(インド、バングラデシュ、パキスタン、アフガニスタン、モルディブ、スリランカ、ブータン、ネパール)から設立され、SAARC(South Asian for Regional Cooperation)に属しています。SAUはアカデミックイヤーの2010年から運営を始めました。現在SAUは、開発経済学、コンピューターサイエンス、バイオテクノロジー、数学、社会学、国際関係学、法律を含む様々な専門分野で大学院や博士課程プログラムを提供しています。SAUは、ニューデリーのChanakyapuriにあるAkbar Bhawan キャンパスが現在機能しています。サウスデリーのMaidan Garhiにある100エーカーのキャンパスにやがて移転する予定で、そちらは工事がすぐに始まる予定です。
Dr. Ravi Shankar Akundi と Dr. Yubaraj Pokharelは、SAUで、生命科学科、バイオテクノロジー科の准教授です。Dr. Ravi Shankar Akundiとの個人的なつながりから、私はSAUに招待され、他の学部のメンバーとも交流しました。
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
南アジア大学(SAU)の生命科学科、バイオテクノロジー科の准教授であるDr. Ravi Shankar Akundi と Dr. Yubaraj Pokharelは、私が静岡大学のビジョンとゴールを説明する機会を与えてくださり、生命科学科、バイオテクノロジー科とは違う学部のメンバーとの会合を用意してくださいました。これは静岡大学にとって初めてのSAUとのコンタクトです。それゆえに、SAUの違う学部のメンバーとの会合は、とても重要でした。
私はSAUの学長Dr. Kavita A Sharmaと、副学長Prof. Rajiv K Saxenaともお会いしました。SAUと静岡大学の未来の連携について実りの多い議論ができました。お二人は、多くのSAARCのメンバーの国の大学とSAU共に協力して、静岡大学の活動の考えを支持しました。
この議論をもとに、私は、Dr. Ravi Shankar Akundi と Dr. Yubaraj Pokharelと4人の学生を、2015年1月26日に静岡キャンパスで行われる“Green Science and Technology of Global Young Researchers”の国際ワークショップに招待しました。
今回の渡航による進展
このプログラムは、南アジア大学(SAU)の学部のメンバーと初めてのコンタクトを開始する手助けとなりました。私は、インドでSAUの若い研究者の交換留学を促進するための未来の目標や静岡大学のビジョンについて説明しました。SAUの生命科学科やバイオテクノロジー科のメンバーのより発展した関係の構築のために、私は、Dr. Ravi Shankar Akundi と Dr. Yubaraj Pokharelと4人の学生をを、2015年1月26日に静岡キャンパスで行われる“Green Science and Technology of Global Young Researchers”の国際ワークショップに招待しました。
今後の展開
2大学間の教授や若手研究者をよく派遣する手助けできるよう了解覚書のサインをすることにつながるために、静岡大学と南アジア大学のより発展した関係の構築をする。
今回の渡航で何を行いましたか
こちらの派遣のプログラムは、南アジア大学(SAU)とファーストコンタクトを取るとてもよい機会になりました。SAARCに資金を供給されたSAUは、SAUと関係することによって極めて重要な役割を担うSAARCメンバーの国々や静岡大学にとって、有益な研究や教育を提供し、素晴らしい大学になることができます。
その国の印象はどうでしたか
SAARCに資金を供給された南アジア大学は、インド大陸の周辺のSAARCの国々のように素晴らしい大学になることができます。インド大陸は、15億人以上の人口でその半分以上が若者です。これらの若者は、教育を必要としており、彼らは彼らの国々で重要な役割を担うことができるでしょう。
共同研究の内容についてはどんな感想を持ちましたか
南アジア大学は、静岡大学にとって有益になる新しく現れた分野での新しい若い学部メンバーや共同研究による新しい大学です。発展しているSAARCメンバーの国々からの若い研究者も、静岡大学でより進んだ研究や教育の機会を求めるのに良い機会を得るでしょう。
今回の渡航が、自分の研究キャリアにどのような影響を与えると思いますか
こちら派遣プログラムの結果、私は、静岡大学は、多くの若い研究者がいるインドで軌跡を残すべきだと確固として思います。私は、多くの若い研究者が科学の発展をリードするさらに進んだ研究や共同研究のために、静岡大学に来ていただきたいと願います。
早川泰弘
創造科学技術大学院 光・ナノ物質機能専攻 教授
訪問期間
2015年1月31日 ~ 2015年2月7日
共同研究の内容
第3回ナノサイエンスとナノテクノロジーに関する国際会議をインド国チェンナイ市にあるスリ・ラマサミー・メモリアル(SRM)大学で開催した。この国際会議は、SRM大学、静岡大学、ニュージーランド地質・核科学研究所との共催の国際会議であり、初日にはSRM大学の学生を含め3000名以上が出席した。会議の講演者は250名以上であった。静岡大学から教員8名(三村秀典教授、村上健司教授、猪川 洋教授、鈴木久男教授、脇谷尚樹教授、近藤 淳教授、ダニエル モラル准教授と早川)、研究員4名(Arup Samanta博士、Tiwari Ajay博士、Mani Navaneethan博士、Jayaram Archana博士)が出席し、招待講演を行った。また、座長を担当した。招待講演としてカーボンナノチューブの研究で高明な飯島澄男名城大学教授をはじめ、各国からの招待講演が行われ、有意義な国際会議であった。
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
SRM大学(1985年設立)はインド国家認証会議から私立大学トップの評価を得ている。工学部、医学部、人文科学部、経営学部があり、学生数は38,000名以上である。静岡大学はSRM大学と大学間協定、ダブルデグリー協定を締結している。また、教員や学生の交流やアジアブリッジプログラムでも連携を深めている。
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
早川泰弘研究室ではSRM大学のC.Muthamizchelvan教授 やS.Ponnusamy教授のグループとナノサイエンスに関する国際共同研究を行っており、30編以上の論文が査読付き雑誌に掲載されている。C.Muthamizchelvan教授 とS.Ponnusamy教授は、電子工学研究所のHonorable Gust Professorに任命されている。また、早川はSRM大学の教員教授となっている。SRM出身の学生2名が創造科学技術大学院を終了し、博士(工学)を取得した。その後、日本学術振興会の外国人特別研究員に採用されている。2013年にSRM大学と静岡大学電子工学研究所共催で、International Conference on Nanoscience & Nanotechnology (ICONN 2013) を開催した。今回のInternational Conference on Nanoscience & Nanotechnology (ICONN 2015)国際会議は、静岡大学との共催会議である。2015年1月にはSSSV制度を利用して、教員と学生が静岡大学に1週間滞在した。
今回の渡航による進展
今回の会期中に静岡大学とSRM大学はダブルデグリー協定締結式を行った。電子工学研究所所長の三村秀典教授とSRM大学総長のT.R. Pachamuthu教授が協定書を交換した。早川泰弘教授、近藤 淳教授、ダニエル モラル准教授が静岡大学のアジアブリッジプログラム、研究施設や研究紹介などを行った。静岡大学の招待者はSRM大学の研究施設の見学や今後の共同研究に関する打ち合わせなどを行った。
今後の展開
静岡大学とSRM大学のさらなる強い協力体制を構築するために、国際共同研究を実施し、客員教授制度、ダブルデグリー制度などを活用する。共催の国際会議ICONNを継続的に実施する他、SSSVや科学技術振興機構(JST)の日本・アジア青少年サイエンスプランを利用し、教員と学生の交流を進める。
Arup Samanta
Dr., 創造科学技術大学院
訪問期間
2015年1月31日 ~ 2015年2月7日
共同研究の内容
2015年2月4日~6日に協同的な会議、第三回ナノサイエンスとナノテクノロジーの国際会議(ICONN-2015)がインドのチェンナイSRM大学にて開催されました。
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
SRM大学、インドチェンナイ
SRM大学は、インドでトップランキング私立大学の一つであり、すべてのキャンパスをあわせると38,000人を越える生徒、2600以上の施設があり、工学、経営、医学と健康科学、科学と人文科学において広範囲な学部、大学院、博士課程を提供しています。こちらの大学は、ナノテクノロジー、バイオインフォマティクス、遺伝子工学、リモートセンシングとGIS、組み込みシステムまたはコンピュータフォレンジックを含む最先端プログラムの幅広い選択肢を学生に提供しています。これらのコースのほとんどが、海外の大学との親密に共同して提供されています。
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
私は、招待された講演者として会議に参加しました。そして私は、私の最新の研究「ナノスケールトランジスタにおけるドーパント原子と界面の相互作用」を発表しました。私はまたSRM大学における研究環境の全体を視察するために、静岡大学のグループと一緒に訪問しました。これは彼らのインフラで私にとって印象的な経験となりました。
今回の渡航による進展
静岡大学とSRM大学との間に、2つの了解覚書が承認されました。アジアブリッジプログラムやダブルディグリープログラムが導入されました。アジアブリッジにおいては、SRM大学からの何人かの生徒が静岡大学で修士の学位をとることは有益になります。ダブルディグリープログラムの場合には、生徒はPh.D.の学位を両方の大学から2重に取得できます。これはとても良いプロジェクトです。
今後の展開
私は、静岡大学とSRM大学が長期間の共同プロジェクトで成功することを本当に願っています。未来において、ナノテクノロジークループのように、SRM大学のいくつかの研究室と私は直接共同研究をするかもしれません。もしそうなるなら、強い協力が展開されて、いくつかの共同研究は実行されうるかもしれません。このように、討論の機会としてこの会議が付け加えられることによって、そのようなプロジェクトが始まることはとても良いステップなることと思います。
Mani Navaneethan
Dr., 創造科学技術大学院
訪問期間
2015年2月1日 ~ 2015年2月7日
共同研究の内容
第3回ナノサイエンスとナノテクノロジーに関する国際会議をインド国チェンナイ市にあるスリ・ラマサミー・メモリアル(SRM)大学で開催した。この国際会議は、SRM大学、静岡大学、ニュージーランド地質・核科学研究所との共催の国際会議であり、静岡大学から数名の教員と研究員が出席し、招待講演を行った。
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
SRM大学は学生数38,000名以上を有するインド国私立大学トップの大学である。世界基準の教育研究を行っている。SRM大学は静岡大学の重要なパートナーであり、大学間協定、ダブルデグリー協定、共同研究、教員や学生の交流やアジアブリッジプログラムでも連携を深めている。
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
早川泰弘研究室ではSRM大学のC.Muthamizchelvan教授 やS.Ponnusamy教授のグループと国際共同研究を行っており、30編以上の論文が査読付き雑誌に掲載されている。今回は、SRM大学と静岡大学の3回目の共催国際会議である。また、短期間訪問(SSSV)制度を利用して、SRM大学の教員と学生が静岡大学に滞在した。これらの活動は静岡大学を国際社会にアピールする良い機会である。
今回の渡航による進展
今回の会期中に静岡大学とSRM大学はダブルデグリー協定締結式を行った。電子工学研究所所長の三村秀典教授とSRM大学総長のT.R. Pachamuthu教授が協定書を交換した。早川泰弘教授、近藤 淳教授、ダニエル モラル准教授が静岡大学のアジアブリッジプログラム、研究施設や研究紹介などを行った。静岡大学の招待者はSRM大学の研究施設の見学や今後の共同研究に関する打ち合わせなどを行った。
今後の展開
このプログラムは、静岡大学とSRM大学のさらなる強い協力体制を構築するために有効である。今後、国際共同研究を推進し、客員教授制度などの制度を利用して教員と学生の交流を進める。静岡大学とSRM大学が日本とインド国の協力関係に大きく寄与できると期待している。
バングラデシュ工科大学
三重野 哲
創造科学技術大学院 光・ナノ物質機能専攻 教授
訪問期間
2014年10月1日 ~ 2015年3月31日
共同研究の内容
1月5日 ~ 7日に、バングラデシュ工科大学工学部を訪問し、創造大学院の紹介講演を行い、研究教育システムの理解を得た。部局間協定について、より詳しく討論した。工学部長から部局間協定 (MoU) の同意の署名をもらった。若手研究者や大学院生の留学や交流について討論した。大学代表である、Vice-Chancellor, Prof. Khaleda Ekram にお会いして、静岡大学と部局間協定について説明した。物理学科、ガラス&セラミック学科、材料・金属学科、バングラデシュ・日本災害予知・都市安全研究所を訪問し、主な実験施設と主な成果を理解した。今後の研究・教育交流について討論した。
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
- バングラデシュ工科大学工学部 教授
Md. Abu Hashan Bhuiyan - バングラデシュ工科大学工学部 準教授
Md. Forhad Mina - バングラデシュ工科大学工学部 講師
Mohammad Jellur Rahman
これまでの共同研究の成果(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
- 共同執筆論文
(1) “Water-Dispersible multiwalled carbon nanotube obtained from citric-acid-assisted oxygen plasma func- tionlization”, Md. J. Rahman, T. Mieno, J. Nanomaterials, 2014 (2014) 508192-1-9.
(2) “Production of Single-Walled Carbon Nanotubes by Modified Arc Discharge Method”, M. J. Rahman, T. Mieno, Jpn. J. Appl. Phys, 52 (2013) 056201-1-5.
など。 - 共催シンポジウム
(1) BUET工学部セミナー、「静岡大学創造科学技術大学院における種々の研究紹介」、三重野 哲、2015.1.7, BUET.
(2) 静岡大学理学部セミナー&講義(3回)「ナノチューブ含有ポリプロピレン材料の物性」、「波動の粒子的性質」、「X線散乱測定法」、Dr. Md. Forhad Mina, 2014.10.14, 15, 27, 静岡大学理学部
今回の渡航による進展
- 創造大学院とBUET工学部における学部間協定が認められた。
- 三重野が実際にダッカ市を訪問し、この大都市の生活や発展状態を経験することができた。市内の国立博物館を訪問し、バングラデシュの自然や歴史を学ぶことができた。
- BUETのキャンパスを見学し、また、各学科を視察し、実験装置の状況や最近の成果を、今後の発展の可能性を理解することができた。
今後の展開
- BUETから博士課程希望学生を受け入れる方向で活動。奨学金への応募など。
- BUET工学部だけでない、広い交流を計画。ABPプログラムへの参加。
- 大学間協定に向けて、種々の交流を進め、多くのスタッフにPRして行く。
Kasetsart University(タイ)
新谷政己 (バイオサイエンス専攻 准教授)
金原和秀 (環境エネルギー専攻 教授)
創造科学技術大学院
訪問期間
2015年2月28日 ~ 2015年3月8日
共同研究の内容
- 環境中よりスクリーニングされた有用機能をもつ微生物のゲノム解析
- メタゲノム解析手法に基づく海水中の菌叢解析
- バクテリア綱を超えたプラスミドベクターの開発
- 微生物発酵による未利用バイオマスからの有用物質生産
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
- カセサート大学・理学部,准教授,Dr. Vichien Kipreechavanich
- チュラロンコン大学・理学部,助教,Dr. Onruthai Pinyakong
- ブラパ大学・理学部,助教,Dr. Jittima Charoenpanich
- シーナカリンウィロット大学,助教,Dr. Yui Peechapack
- King Mongkut’s工科大学・生物資源工学部,副学部長/准教授,Dr. Kornkanok Aryusuk
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
JSPS 二国間交流事業(タイとの共同研究(NRCT))東京大学―チュラロンコン大学の日本側参加者として,環境浄化手法の確立に向けた共同研究に携わっている(2014-2017).この間,1st Symposium of NRCT-JSPS joint research program, (Chulalongkorn University 2014.6.3.)にて講演を行った(新谷政己).
山口大学主催のCCCPにてカセサート大学のKipreechavanich准教授と約10年間にわたり共同研究を行っている.その間,博士課程学生の短期受入を行うなど交流を行っている(金原和秀).
今回の渡航による進展
チュラロンコン大学,カセサート大学,シーナカリンウィロット大学の各研究者が一同に会し,Thailand-Japan Joint Symposiumの共催シンポジウムの開催に至った(Kasetsert University 2015.3.5.).また上記の3大学とブラパ大学,King Mongkut’s工科大学では,静岡大学での研究成果についてのセミナーを行い,今後の共同研究に向けた情報交換を行った.チュラロンコン大学では,理学部微生物学科と,静岡大学とでdouble degree制度に向けた話し合いも行われた.
今後の展開
静岡大学で行っている微生物のゲノム解析・菌叢解析については,チュラロンコン大学でも(対象微生物や環境は異なるが)同様に進めており,様々な情報の交換や,技術提供等が可能と考えられる.また,新谷らが勧めている,プラスミドベクターの開発については,タイ王国における微生物工学分野の研究者においても重要な課題であり,タイ側は実験におけるツールとして用い,静岡大学としては,応用適応例としての研究の進展が見込まれる.
ケンブリッジ大学
海老原孝雄
創造科学技術大学院 光・ナノ物質機能専攻 准教授
共同研究の内容
強相関電子系での低温物性研究および量子振動現象の観測
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
ケンブリッジ大学 キャベンディッシュ研究所
- Dr. Malte Grosche
強相関電子系における高圧および磁場中の低温物性 - Dr. Suchitra Sebastian
強相関電子系における強磁場中での量子振動現象観測 - Dr. Mike Sutherland
強相関電子系における低温(T<2mK、H<15T)での量子振動現象観測
これまでの共同研究の成果(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
- Dr. Malte Groscheと共著論文2報
- Dr. Suchitra Sebastianと共著論文2報
- Dr. Mike Sutherlandと共著論文1報
今回の渡航による進展
- Dr. Malte GroscheとCe系化合物における注目物質2種について共同研究を行うことになった。
- Dr. Suchitra Sebastianと現在注目している物質について討議した。
- Dr. Mike Sutherlandとの共同研究を1件行うことになった。
今後の展開
今回の研究討議において情報を共有できた注目物質について、静岡大学で試料合成を行うとともに、試料評価の段階から緊密な連携を保って共同研究を推進して行く。数年単位のプロジェクトとなると考えられる。
ブラウンシュヴァイク工科大学
小川直人
大学院農学研究科 共生バイオサイエンス専攻 教授
訪問期間
2014年10月28日 ~ 11月2日
共同研究の内容
日本の茶畑における土壌や微生物に対する化学物質の影響と動態
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
ブラウンシュバイク工科大学 ロバートクロイツイヒ教授
農業分野での農薬や医薬品の残留分析が専門
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
Susen Hartung, Masahide Iwasaki, Naoto Ogawa, Robert Kreuzig. Laboratory tests on sorption and transformation of the insecticide flubendiamide in Japanese tea field soil. Science of the Total Environment. Vol. 443, p.904-909 (2013)
今回の渡航による進展
共同研究推進のための計画 特に茶畑の土壌中の農薬の動態に関する研究についてプランニングをした。
今後の展開
実際にフィールドで茶葉のサンプリングを行い、農薬の動態に関する共同研究が進捗している。
アイダホ国立研究所(米国)
大矢恭久 (環境・エネルギーシステム専攻 准教授)
近田拓未 (理学研究科 講師)
創造科学技術大学院
共同研究の内容
核融合炉実環境におけるプラズマ対向壁中の水素同位体滞留・透過挙動評価に関する共同研究
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
- アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)、Fusion Safety Program, Dr. Masashi Shimada, Dr. Chase Taylor, Mr. Brad Merrill、世界で唯一の中性子照射材を取り扱えるプラズマ照射装置(TPE)を有する。
- サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)、Hydrogen and Materials Science Department, Dr. Dean Buchenauer, Dr. Robert Kolasinski、高温での水素透過装置を有する。また、TPEを開発した研究所である。
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
- Takumi Chikada, Masashi Shimada, Robert J. Pawelko, Takayuki Terai, Takeo Muroga, “Tritium permeation experiments using reduced activation ferritic/martensitic steel tube and erbium oxide coating,” Fusion Engineering and Design, 89 (2014) 1402-1405.
- Masashi Shimada, G. Cao, T. Otsuka, M. Hara, M. Kobayashi, Y. Oya, Y. Hatano, “Irradiation effect on deuterium behavior in low-dose HFIR neutron-irradiated tungsten”, Nuclear Fusion 55 (2015) 013008.
- Makoto Kobayashi, Masashi Shimada, Yuji Hatano, Takuji Oda, Brad Merrill, Yasuhisa Oya and Kenji Okuno, “Deuterium trapping by irradiation damage in tungsten induced by different displacement processes”, Fusion Engineering and Design, 88 (2013) 1749-1752.
- Y. Oya, M. Shimada, T. Tokunaga, H. Watanabe, N. Yoshida, Y. Hatano, R. Kasada, T. Nagasaka, A. Kimura and K. Okuno, “Behavior of deuterium retention and surface morphology for VPS-W/F82H”, Journal of Nuclear Materials, 442 (2013) S242-S245.
- Yasuhisa Oya, Masashi Shimada, Makoto Kobayashi, Takuji Oda, Masanori Hara, Hideo Watanabe, Yuji Hatano, Pattrick Calderoni and Kenji Okuno, “Comparison of deuterium retention for ion-irradiated and neutron-irradiated tungsten”, Physica Scripta, T145 (2011) 014050.
今回の渡航による進展
今後の共同研究の展開について議論し、タングステンへの中性子照射計画について議論することができた。
静岡大学で実施した最新の照射損傷を持つタングステンにおける水素同位体滞留挙動評価結果について、発表し、意見交換することができた。
2015年6-8月に近田拓未講師がINLおよびSNLに訪問し、共同研究を実施する予定である。
今後の展開
今後、オークリッジ国立研究所(ORNL)にてタングステンへの中性子照射を行い、TPEを用いて照射試料中の水素同位体滞留挙動を明らかにする計画である。これにより、核融合炉実環境に近い条件でのトリチウム滞留機構解明および滞留量を評価することができ、核融合炉研究開発において世界を先導する知見を集積する計画である。
藤田啓恵
静岡大学理学部 4年
今回の渡航で何を行いましたか
アイダホにて世界初の原子力発電が行われたEBR-1を見学し、原子力発電の歴史について学んだ。また、アイダホ国立研究所(INL)内のSTARにて世界で唯一放射性物質を扱えるプラズマ曝露装置(トリチウムプラズマ曝露装置、TPE)などの装置を見学し、実験が行われている様子を見ることができた。さらにINLの研究員の方へ現在自分が行っている研究の発表を行い、ディスカッションを行った。
サンフランシスコのサンディア国立研究所(SNL)では施設内の様々な装置を見学し、現地で行われている実験について説明を受けた。また、施設の研究員の方を交え自分が行っている研究の発表を行った。
その国の印象はどうでしたか
日本に比べあらゆる施設の規模が格段に大きかった。特にアイダホ国立研究所は町からも遠く、車での通勤が大変そうだと思った。今回はアイダホとサンフランシスコへ滞在したが、アイダホは研究施設の周囲にほとんど何もないがサンフランシスコのサンディア国立研究所は周囲に家が多く、都市によって様子がずいぶん異なっていた。
共同研究の内容についてはどんな感想を持ちましたか
現在自分が興味を持ち研究を行っているテーマが、核融合炉のプラズマ対向材料候補であるタングステンへの中性子照射による水素同位体挙動の理解である。今回見学したSTARやSNLで行われている日米共同のPHENIX計画における、高温下でのタングステンへの高フラックス中性子照射及びトリチウムプラズマ曝露に関する実験及び装置は少し身近に感じた。しかし、自分が行っている実験と比べ条件がより実機に近く複雑であり、はるかに発展した内容であるため、またその研究で利用されるTPEが世界で唯一ということで、改めて世界規模であることに圧倒された。
今回の渡航が、自分の研究キャリアにどのような影響を与えると思いますか
研究施設見学に関しては、実験の様子を直接見ることができ、その規模に驚いたが、落ち着いて見ると日本で使っているものと同じような機器(質量分析器、真空ポンプなど)から実験装置が構成されているものもあった。さらにSEMやAFMなど自分自身も利用したことのある装置もあり、研究の基礎の部分は共通であると感じた。また、海外渡航の経験がなく、言葉の通じない国に滞在することなど困難だと考えていたが、実際に行ってみると確かに買い物だけでも大変ではあったが何とかなるものだとわかり、国外といって躊躇する必要はないと思った。しかし英語はやはり今以上に会話の面で力をつけなければと感じた。
植村有希
静岡大学理学部 4年
今回の渡航で何を行いましたか
アイダホ国立研究所(INL)、サンディア国立研究所(SNL)にて各研究所の見学を行い、また各施設の研究員の方を交え自身の研究の発表を行った。
その国の印象はどうでしたか
日本の研究所と異なり、アメリカ両研究所付近は広大な土地を活かし住宅街から離れた土地に研究所を設立することで比較的大きな規模での放射性物質の取扱いを可能にしているのだと感じました。
またサンフランシスコのダウンタウンは区画によって一部異なるが、一般的には観光客やストリートミュージシャン多く、自由な街だと感じました。
共同研究の内容についてはどんな感想を持ちましたか
現在、自分が行っている研究のテーマは、核融合炉プラズマ対向材として考えられているタングステンへの水素同位体透過挙動の理解です。INLやSNLにおいても同様の実験を行っており、特にSNLではサンプルホルダーが異なり、また両研究所ともに高感度測定のためにトリチウムを使用しており非常に興味深いものでした。
今回の渡航が、自分の研究キャリアにどのような影響を与えると思いますか
今回の渡米にて初めて他国にて研究所見学や自身の研究内容の発表を行いました。研究所見学においては様々な装置を見せていただいたことで、他国の研究所への興味がわき、将来への可能性がさらに広がったと考えております。また、自身の研究内容の発表においては他国の先生方に聞いていただくことで今後の展望など様々な意見をいただきましたのでそちらも今後の研究に活かしていきたいと考えております。
米国立強磁場研究所
海老原孝雄
創造科学技術大学院 光・ナノ物質機能専攻 准教授
訪問期間
2015年3月15日 ~ 3月21日
共同研究の内容
強相関電子系物質の強磁場物性
相手先機関、所属、教員名、およびその特徴
- 米国立強磁場研究所、Luis Balicas、強磁場の微視的電子物性測定
- 米国立強磁場研究所、Stanley Tozer、強磁場に高圧を組み合わせた電子状態研究
これまでの共同研究の成果
(共同執筆論文、共催シンポジウム等)
Phys. Rev. B 90, 155101 (2014) B: Zeng, Q. R. Zhang, D. Rhodes, Y. Shimura, D. Watanabe, R. E. Baumbach, P. Schlottmann, T. Ebihara, and L. Balicas
今回の渡航による進展
上記の論文では、強相関電子系反強磁性体における全ての角度領域で複雑な量子臨界状態を明らかにしたこと、ある特定の方向での量子振動現象による重い電子の観測を報告した。今回渡航して議論することによって、①強相関電子系反強磁性体における全ての角度領域で量子振動現象を観測するプロジェクト(Luis Balicas博士)、②強相関電子系反強磁性体における圧力・強磁場相図の作成プロジェクト(Stanley Tozer博士)、③特異な量子臨界相について高磁場比熱を用いた詳細な研究のプロジェクト(Scott Riggs博士)の3件のプロジェクト策定し、4月から順次実行に移す事に合意しており、大きな進展を見せた。また、Scott Riggs博士とは今回初対面であったが、具体的かつ詳細な議論ができて共同研究の開始に繋がり、研究の進展を加速させた。
今後の展開
今回策定したプロジェクトはいずれも数年のプロジェクトであるが、継続的に連絡を取りつつ人も往来し、区切りの際には論文として発表して行く。博士課程の学生が在籍する場合は、これらの国際共同研究プロジェクトに積極的に参加してもらう。